静岡の巣鴨と呼ばれる駒形通り商店街。
ここにタナカさんという洋品店があります。
幾つかあった洋品店。僕は小さい頃、卸し売りをしていた母の車から商店街のお店を眺めていました。
静岡は殿様商売と言われるように洋品店のオーナーは強くて、よくしゃべり、ちょっと強引にお客様に提案していた人ばかり。
ある意味、それが定石といった形です。
顔見知りの知り合いだから買う、相互扶助的な関係性。
または人生相談、グチのはけ口といった小さなコミュニティの連帯の中でお店はイキイキと輝いていました。
バブルの崩壊よりも、ファストファッションを始めとするグローバル企画商品に無残にもビジネスモデルは切り崩されたと思っています。
あぁ、タナカさんも無くなるのか。
気づけば駒形通り商店街も空き店舗が目立つようになりました。
僕は、本当に声を大にして言いたい。
何の為のファッション?生きてるあなたの存在理由は何?
接客も無いファストファッションで勝手に着て適度に認知してもらえば良い?
気持ちの交流の無い消費活動がクリエイティビティを奪っている事に気づきませんか?
世界のどこかに考える事を委ねて物を充てがわれるだけの消費者になっていませんか?
上手に着こなしを考えたとして作り手にどのようにフィードバックするのでしょう。
その役割をお店のオーナーは展示会に行きメーカーと折衝しながら提案してきたのです。アイデンティティをかけて。
また僕は夢で溢れていた街へ繰り出したい。
アイデンティティに溢れている。
世界でたった一人のあなたに会いたい。
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